弁護士の井筒です。
不動産は日常生活や事業活動の中心になるものです。そのため、誰しもが人生に一度は不動産についての契約を結ぶことがあるでしょうし、あわよくば紛争に巻き込まれることがあるかもしれません。
まず、皆様が不動産に関わる場面としては、大きく分けると以下の4つに分かれます。
① 賃貸借をめぐる問題
② 売買をめぐる問題
③ 区分所有をめぐる問題
④ その他の問題
まず、①賃貸借をめぐる問題としては、不動産トラブルでもポピュラーなもので、賃貸人からも賃借人からも相談を多く寄せられるものです。
「賃借人が賃料を3ヶ月間滞納している。出て行って欲しい」
「賃料が近隣の相場と比べて高すぎる。安くして欲しい」
「雨漏りで屋根を修繕したので、立て替えた費用を家主に支払って欲しい」
今後の連載では、主に賃貸借をめぐる問題を中心に解説していきたいと思います。
次に、②売買をめぐる問題は、価格が高額なこともあって、非常に深刻で、解決までに時間がかかる問題類型です。
「銀行からの住宅ローンが降りなかったので、売買契約を解除したい」
「マンションを建てる予定で買った土地を掘ると、大量の木くずが埋まっていた」
なお、新築住宅の建設をめぐる問題については、建設のエントリに解説を譲ります。
③区分所有をめぐる問題とは、いわゆる分譲マンションで起こる問題のことです。
「上の階の住人が深夜にもかかわらずうるさい。どうしたらいい」
「管理費を滞納する住人が増えており、マンション管理が立ち行かない」
④その他の問題は、例えば以下のようなものがあります。
「売買の際に測量をしたら、隣地との境界が違っていたことが判明した」
来月以降、よく相談を寄せられる不動産トラブルについていくつかピックアップしてとりあげ、問題点や解決方法について解説していきたいと思います。